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研究概要

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グループウェアにおける集団意思決定支援に関する研究

1.研究の背景

コンピュータとネットワーク技術を中心とする情報技術(Information Technology)の発展と普及は、 情報環境の高度化にとどまらず、社会全体に大きな変革をもたらし、情報化社会へと導いている。 このような社会において組織は、より頻繁で迅速な意思決定を要求され、その意思決定は複雑なものとなる。 従って、ミーティングの回数およびその参加者も多くなり、これを行うには困難を有する。 グループ・ミーティングの有効性と効率化のために、コンピュータとネットワーク技術を活用することが、 この情報化社会にとって重要なテーマとなる。

このようなニーズとコンピュータとネットワーク技術の飛躍的な発展と普及により、 グループによる意思決定をサポートするためのグループ・サポート・システムあるいは CSCW(Computer-Supported Cooperative Work)に関する研究が進み、その研究成果の一部は グループウェアとして広く利用され始めている。

2.これまでの研究成果

本研究ではグループウェアにおける集団意思決定を取り上げ、個々のメンバーの視点に沿った合意形成を 導けるよう改良した意思決定手法を提案する。 合意形成を行うにあたり、ユーザーが使いやすい意思決定をどのように実現するかが重要な課題となる。 これまでにもAHP(階層分析法)を集団意思決定に適用したAHP意思決定支援システムが開発されている。 しかしながらこのシステムでは、AHPで求まる総合重要度の値は定型的であり、多数決を行った場合と同じ 最終決定が選ばれるという問題があった。

そこでその解決法として、多変量解析を利用して通常のAHPとは別に意外性のある最終決定を提示できるよう 改良を施し、通常案と意外性を考慮した案の両方をユーザーに提示するシステム構築を考案する必要がある。

集団意思決定支援プログラム集団意思決定支援プログラム

3.今後の研究内容

本研究では意思決定支援の重要な要素である集団意思決定を取り上げ、 通常案と意外性のある案の提示を主目的とした集団意思決定方法を提案する。 提案方法では、統計的解析手法である多変量解析に注目し、多数決で選択される結果だけでなく、 評価基準における重みを擬似的に変化させた意外性案をメンバーに提示する。

具体的には、メンバーからのアンケートで得られた結果の評価基準を各項目についてどの程度重要かを評価してもらい、 そのデータを多変量解析により分析を行う。集約した結果から分析される通常案と意外性のある案を同時に出力させる方法を 繰り返すことで、メンバーの意見を集約する。提案手法により、たとえ意外性案が最終的に選定されなくとも最終候補として吟味され、 最終的に選ばれた案の選択理由が明確になるため、結果全体の満足度の向上が期待できる。